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「1920~2020ローマ東京間飛行100周年」講演会
2019年12月9日

27 NOV 2019

2019年12月9日(月) 17時半より、ローマ東京間飛行100周年記念事業の一環として、ローマの上院ジュスティニアーニ宮殿(Palazzo Giustiniani, Via della Dogana Vecchia, 29)のズッカリ広間(Sala Zuccari)において、ピエール・フェルディナンド・カズィーニ上院議員(Pier Ferdinando Casini, Senatore della Repubblica )と伊日財団(Fondazione Italia Giappone) 主催による講演会「1920~2020ローマ東京間飛行100周年」が開催されます。

Palazzo Giustiniani - Sala Zuccari

1920年(大正9年)5月30日に大阪の城東練兵場 (大阪城の東側にあった一区画) に到着し、引き続き翌日31日に東京の代々木練兵場 (現在の代々木公園) にローマから3カ月半かけて約18,000キロを飛行し、空路を経由して到着した、イタリア陸軍航空部隊の2機のズヴァ式複葉機の搭乗員に対して当時の日本人が示した熱狂と大歓迎ぶりについて、講演させていただきます。

特に、最近発見された2冊の記念帖は、当時の東京の小学生(7歳から15歳まで)が描いた絵画と書 (計164点)が集められたもので、その優れた技量と内容は、当時の日本人が、いかに国を挙げてイタリア人飛行士達を歓迎したかを理解するうえで、非常に貴重な史料です。

2冊の記念帖には、大正9年6月13日の日付で4,000人の小学校教員を代表した松下専吉幹事長の肉筆の挨拶前文が綴じられています。世界空前の一大壮挙であるローマ東京間飛行を成し遂げたイタリア人パイロット達の堅忍不抜の精神と勇気と努力は、東京20万の小学生児童に対する素晴らしい手本になるという歓迎と感謝の意を表明した挨拶文です。

この記念帖の中には、後に日本の歴史に名前を残すことになる重要な方々の貴重な作品も含まれていました。 現在判明したものだけでも、画家の田中一村、建築家の吉村順三、1936年ベルリンオリンピックの馬術競技に参加したと思われる稲波弘次の作品があり、今後、ご遺族や関係者の方々のご協力も得て、さらなる研究が待たれるところです。

1923年には関東大震災、1945年には第二次世界大戦中の東京大空襲で東京が灰燼に帰したことを考えると、1920年当時の東京の小学生の作品が大量にイタリアで大切に保管されていたことは奇跡的とも言えるでしょう。

この2冊の記念帖は、イタリア陸軍航空部隊パイロット アルトゥーロ・フェラリン中尉の自伝「世界への飛行」の記述をもとに調査した道原により、最近イタリアのミラノとローマ近郊で「再発見」されたものです。

100年前にイタリアに渡った小学生の2冊の記念帖が、来年2020年のローマ東京間飛行100周年記念の年に、ぜひ日本に「里帰り」して展覧会が開催できるように、伊日双方の関係者の皆様のご協力をお願い申し上げる次第です。

(講演はイタリア語にて行ないますが、ご希望の方には日本語訳文を差し上げます。)

ローマ東京ハンガーミュージアム協会 副会長
ヴィチェンツァ県ティエーネ市主催:
「アルトゥーロ・フェラリン: ローマ東京間飛行の100周年 1920年-2020年」記念事業 コーディネーター
道原 聡

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